Memorandum

受験期に向けて

加法定理の証明[東京大学]を5分で理解する

某大学の入試問題より1問である。
まずは自力で考えてみて欲しい。

sin(α+β)=sinαcosβ+sinβcosαを証明せよ。東京大学

解答

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上図のような三角形について考える。

まず、sinα、cosα、sinβ、cosβについて考える。
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このように抜き出すと、三角比の定義から、
sinα= {\frac{c}{a}}
cosα= {\frac{1}{a}}

また、次のようの抜き出すと、同様に、
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sinβ= {\frac{d}{b}}
cosβ= {\frac{1}{b}}
である。

つまり、sinαcosβ+sinβcosα = {\frac{c}{ab}}+{\frac{d}{ab}} = {\frac{c+d}{ab}} ...①


ここで、△ABC=(c+d)×1×1/2
※辺BCを底辺と考えている。
また、△ABC=a×b×sin(α+β)×1/2
※2辺とその間のsinで考えている。sin(α+β)に関する証明であるから、sin(α+β)をどうにかして出す必要がある。

すなわち、(c+d)×1×1/2 = a×b×sin(α+β)×1/2
よって、sin(α+β)= {\frac{c+d}{ab}} ...②

①,②より、題意は示された。

補足
一見、辺の長さが1に縛られているように見えるが、実はそうではない。今回辺の長さを1としたところを1と考えた時、a,b,c,dがそれに何倍されているか、で考えれば良い。
三角比は相似な図形から考えられるから、無理やりその辺の長さを1としてやれば、どのような三角形であれ、証明されたことになるのである。

その辺の長さを1と定め、その比率でa,b,c,dを定義し、後は三角形を拡大しようと縮小しようとsinの値は変わらない。