二重根号処理入門
・二重根号とは
その名の通り、√の中に√が入っている根号のこと。
例えば、√(3+√2)などがそれに当てはまる。
※当サイトでは√の中に入っているかどうかを分別するため、√の中に多項式が入った場合は中を括弧で括ることとする。
このような数字が出てくると、数学的に非常に都合が悪い。
だから、できる限り二重根号は外しておきたいのだ。
・二重根号の外し方
とは言え、全ての二重根号がそう都合よく外れはしない。
もちろん、受験で問われるのは絶対に外れるものなので安心して欲しい。
二重根号を外す際は、√(√a+√b)²=√(a+b+2√ab)を利用して外す。
つまり、二重根号√(A+2√B)において、足してAになり、かけてBになる2数を探せば良いのである。
例1) 普通パターン
√(15+2√56) = √(7+8+2√(7×8)) = √(√7+√8)² = √7+√8
二重根号の中がなにかの二乗の形で表されるような式変形をする。
例2) マイナスパターン
√(8-2√15) = √(5+8-2√(5×3)) = √(√8-√3)² = √8-√3
-のパターンの時も変わらず、今度は(√a- √b)²を利用するようにする。またこの際、大きい数字-小さい数字にすること。
小さい数字-大きい数字にすると√の中の値がマイナスをとり、虚数となってしまうためである。
例3) 係数2がないパターン1
√(11-√40) = √(11-2√10) = √(10+1-2√10×1) = √(√10-√1)² = √10-1
√の中から2√の形を作れると良い。
例4) 係数2がないパターン2
√(5-√21) = √((2×5-2√21)/2) = √((7+3-2√7×3)/2) = √7-√3/√2 = √14-√6/2
√の中から2√の形が作り出せない時、分母に2をつけることにより、無理やり2を作り出す。
・二重根号が外せる条件
二重根号が外せる時にはとある条件が存在する。
二重根号が外せる時、二重根号√(A±2√B)において、A²-4Bが平方数になるという決まりがある。そうでないとき、外すことはできない。
証明) 足してA、かけてBになる自然数a,bが存在すれば良い。
この時、(x-a)(x-b) = x²-(a+b)x+ab = x²-Ax+B =0が、自然数の解を持てばいい。また、解はx=a,bのふたつである。
これが自然数となるためには、判別式が平方数とならなくてはならない。よって、A²-4Bが平方数になる。
例5) 外せるか、外せないか
√(5-2√6)において、A=5,B=6とすると、
A²-4B=25-24=1。1は平方数なので、外せる。
例6) 外せるか、外せないか
√(7+2√5)において、A=7,B=5とすると、
A²-4B=49-25=24。24は平方数では無いので、外せない。
・練習問題
(1)√(13+√168)の二重根号を外しなさい。
(2)√(6-2√5)の二重根号を外しなさい。
(3)√(2-√3)の二重根号を外しなさい。
(4)√(7-√(21+√80))の二重根号を外しなさい。
(5) (√(7-4√3))²⁰¹²(√(7+4√3))²⁰¹⁰を計算しなさい。
解説は動画をご覧下さい。